2009年11月08日

■2009.11.14付Hot100

メジャー・リーグではヤンキース9年ぶりのワールド・シリーズ・チャンピオンで何と松井秀喜が日本人初のシリーズMVPを獲得!というヤンキーズ嫌いの僕でも興奮するニュースが飛び込んできた今週、皆さんはどうお過ごしだったでしょうか?日本列島も一気に寒くなり、今年のチャートイヤーもあと2週分のチャートを残すのみ、となりましたね。また例によって12月の上旬には今年の年間チャートの予想などもやるつもりなのでお楽しみにこうご期待。

JasonDerulo_WhatchaSay.jpgさて、今週のHot100、数日前に、1位にはテイラー・スイフトのアルバム『Fearless』の新曲追加プラチナム・バージョンからのカット「Jump Then Fall」が入ってくるのでは?と予想してたのですが、これは大外れで、今週は先週の2位からジェイソン・デルーロ君の「Whatcha Say」がアウル・シティを下して1位を獲得。2週連続して新人アーティストがNo.1を獲得するという展開になりました。このジェイソン君、ハイチ系移民の両親を持つ、マイアミ州ミラマー(ディズニーランドの近くですな)出身の1989年生まれというから今年若干20歳のR&Bシンガー(本名はJason Desrouleaux)。ショーン・キングストンリアーナのプロデュースで最近の有力アーバン・サウンド・メイカー、J.R.ロテムに見いだされて、彼のベルーガ・ハイツ・レーベルから今回デビュー。イモジェン・ヒープの「Hide And Seek」の一節がそのままタイトル含みのメインリフで、そいつがいきなり冒頭、つかみでしかもオートチューン仕掛けで飛び出してくる、というなかなか反則技スレスレの楽曲なんですが、まあこんな曲のこんなフレーズを拾い出してきたJ.R.ロテムジェイソン君の企画の勝利といったところでしょうか。リフは結構キャッチーなので、これがまさかサンプリング(実際はたぶん歌い直しだけど)とは思わない人も多いんだろうなあ。しかし曲のクレジットにイモジェン・ヒープを入れなくていいのかい、おい。


ということで1位はハタチのJason君でしたが、今週のトップ40、それよりも注目なのは、1位を逃したと思ったテイラー・スイフトが何とトップ40内に同時に5曲の初登場曲をチャートインさせていること。もちろん全て『Fearless』プラチナム・バージョンの曲ですが、同一アーティストによるトップ40内5曲初登場(Hot100に初登場、ということ)はHot100の51年の歴史で史上初!これまでの最多同時多発テロ(じゃなくって)記録も含めて、歴代の最多トップ40内初登場記録は下記の通りです。

1. Taylor-Swift101.jpgTaylor Swift (2009/11/14) - 5曲初登場(再登場も含めると6曲)
  • Jump Then Fall - 10位
  • Untouchable - 19位
  • The Other Side Of The Door - 23位
  • Superstar - 26位
  • Come In With The Rain - 30位
  • Forever & Always(再登場)- 34位

2.
david-cook.jpgDavid Cook (2008/6/7)- 4曲初登場
  • The Time Of My Life - 3位
  • Dream Big - 15位
  • I Still Haven't Found What I'm Looking For - 22位
  • The World I Know - 28位

3.
kris-allen-01-2009-04-281240997650.jpgKris Allen(2009/6/6)- 3曲初登場
  • No Boundaries - 11位
  • Heartless - 16位
  • Ain't No Sunshine - 37位

この手の最近の傾向として、2位と3位はいずれもアメ・アド出身者がチャンピオン決定時に多数の曲をチャートインさせるというのがここ2〜3年多いのですが、今回のテイラー・スイフトの同時チャートインは、そういうイベント系を凌駕する出来事だったということなんですね。ちなみに、上記以外にトップ40内2曲初登場というのは、5組のアーティスト(うちあるアーティストは3回)が過去やってますが、さて、誰でしょうか?(答えは今度のブログアップデートの際に)


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2009年11月03日

■2009.11.7付Hot100

JaySean_Down.jpgということでほぼ7ヶ月ぶりのHot100カバー。その間Hot100は思いっきりブラック・アイド・ピーズの連中に蹂躙されまくってたのですがまあいいでしょう。そのBEPの連覇を阻止したのBritneySpears_3.jpgジェイ・ショーンくんの「Down」そしてブリトニー奇跡の復活+初登場No.1ヒット「3」だったわけです。この2曲、BEPを破った後、「Down」 (10/17)→「3」(10/24)→「Down」(10/31)と1週ずつ一位をマーク、いわばジェイ・ショーンくんがブリトニーをサンドイッチ状態にしてたわけですが、今回のようにワンワード・タイトルのNo.1がサンドイッチ状態になったことはHot100史上過去あったかしら、と記録を紐解いてみたところ、実は今回がやっと史上3回目の出来事であったことが判明。

<1回目> 1967.5.20-6.24Groovin' (Rascals) 2週→RespectAretha Franklin)2週→Groovin' 2週
<2回目> 2001.3.24-4.7ButterflyCrazy Town) 1週→AngelShaggy Featuring Rayvon)1週→Butterly 1週

サンドイッチ状態は過去にこれ以外にもたくさんあるのですが(ダブル・サンドイッチ状態、というのもあります。意味分かるかな?)「ワンワード・タイトル」に限ると結構レアなイベントだったことが判ります。え?だからどーだっつーのって?いえ別に。そうそう、これはもう既に語り尽くされてますが、ブリトニーの「3」は史上最短タイトルのNo.1ヒット、という記録も今回樹立してます(過去Hot100では3文字タイトルが最短。詳しくはこちらのリンクを見て下さい)。

OwlCity.jpgで、そのジェイ・ショーンくんを倒して今回1位になったのが、先週7位から一気に1位になったアウル・シティの「Fireflies」(またワンワード・タイトルだよ)。アウル・シティというのはミネソタ州オワトンナ(名前がようないな、「終わっとんな」かいな)在住のアダム・ヤング君のソロ・プロジェクト名。そう、ジョン・オンドラシック君のファイヴ・フォー・ファイティングみたいなものです。人口わずか22,000人という典型的なアメリカの地方の町で特に音楽仲間もいないアダム君はふとある夜不眠症に悩まされていた時に、地下室で手慰み的にコOwlCity_OceanEyes.jpgンピューターや楽器をいじり出したのが音楽活動のきっかけだとか。いきおいエレクトロニックなタッチの作品が中心だったのだけど、こいつをMySpaceにアップロードしたところ、えらい勢いで人気を集めたのが今回のメジャーデビューのきっかけだというから、いかにも今風の若者が今風のメディアや自己表現チャネルを使った今風のヒット、ということが言えるのかも。

でも彼の場合ただのSNSを使った今風のヒット・アーティスト、というだけでないのはその曲のポップ・センス。この「Fireflies」もイントロのピチピチ弾けるようなシンセサイザーの音色が、僕が2003年頃に聴き狂ってたサブ・ポップのエレクトロ・デュオ、ポスタル・サーヴィスの「Such Great Heights」を彷彿させるような、とてもキャッチーでいながらすごく心を落ち着かせてくれるサウンド。本編の歌も囁くようなアダム君のボーカルが曲調によくマッチしていて、久しぶりにリフレッシングなNo.1ヒット!ということで最近えらく気にいってます。PVも正にオタクな音楽少年が宅録にふける風景、という感じで気分ですなあ。


こういう曲がしばらく1位を独走してくれるといかにも正しいヒットチャート的でいいのですが、来週の1位は新曲を追加したデラックス版が出たテイラー・スイフトの『Fearless』からの「Jump Then Fall」が先週末かなりiTuneダウンロード・チャートで強かったので、ひょっとしてテイラーにやられてるかも。でも今日現在はまた「Fireflies」がiTuneダウンロード・チャートの1位を再確保しているので、期待を持ちましょう。次のHot100は木曜日発表です。

...ああ久しぶりに書いたら結構力が入って疲れたな。とりあえず今日はこんなとこで。
posted by Boonzzy at 19:31| ニューヨーク 晴れ| Comment(0) | チャートアクション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

■皆さん、6ヶ月のご無沙汰です

皆さん、お久しぶりです。とうとうハロウィーンも終わって、暦が11月に入りました。最近このブログに変なコメント書き込む人がいるので、ちょっといよいよちゃんとアップしないとダメだなということで、重い腰を上げることにしました。でもそれだけでなく、弟の件が気持ち的にちょっと整理が付いたのと、最近大高英慈くん(元ラジオ関東「全米トップ40」アシスタントDJ、今はFM東京の仕事をしていて某業界会社の専務)、高橋衛さん(早稲田全米トップ40研究会3代目会長、現三菱総研)そして楽天マーケットプレースで活躍中のあめりかん☆ぱいの佐藤直人さんという濃い〜メンツと久しぶりにお会いする機会があって洋楽談義に花を咲かせた際、やはり洋楽文化の普及の端くれを担うべく活動を再開しなくては!と思ったというのも大きな要因です。少しでも多くの人たち、特に若い人たちにまだまだ知らない、古いものも新しいものも含めて、素晴らしいアーティスト、楽曲があるんだよ!というのをこのブログを通じて少しでも伝えられたらうれしいなあ。

ところで2009年、自分にとって公私ともにいろんな(あまり良くないことも含めて)あった年ですが、このブログをちゃんとやってなかったこの6ヶ月間にいろんなことがあったなあ、と改めて感慨。例えば次のようなことがあるぞ!と6ヶ月前に言われたら「まーた、そんな」と思ってたに違いないのです。そんなまさか!な出来事5つをブログ再開第一回としてまとめてみました。

1. ブリトニー、何とHot100初登場1位で完全復活(2009/10/24)

....いやあこれは驚きました。そりゃあ去年の「Womanizer」の96位→1位という当時の記録ジャンプアップで一応復活したブリトニーでしたが、まさかいきなりシングル「3」が初登場1位とは。初登場1位は2006年7月、その時のアメ・アドチャンピオンだったテイラー・ヒックス(こいつ、今どこにいっちゃったんだろう?)の「Do I Make You Proud」以来なので実に3年ぶりの快挙、そしてアメ・アドなどタイアップ絡みでない純粋の初登場1位だと、1998年チャート編成以前の1998年11月、あのローリン・ヒルの「Doo Wop (That Thing)」以来何と11年ぶりの快挙ということになります(R.ケリーセリーン・ディオンの「I'm Your Angel」はチャート編成に伴う初登場1位なのでここでは対象外とした)。現在ツアー中のブリトニーマドンナ共々やはり女は強し!を実感させた事件でした。

2. ブラック・アイド・ピーズ、2曲連続かつ26週連続No.1で1位連続独占新記録樹立(2009/4/18-10/10)


僕の以前からの発言でよくご存知の方も多いと思いますが、正直この6ヶ月間ブログに気合いが入らなかったもう一つの原因はこれですねえ。26週ということは1年のちょうど半分、BEPが1位を独占、それまでの記録だったアッシャーの連続19週の記録(2004/2/28-5/15の12週「Yeah!」と5/22-7/3の7週「Burn」で連続独占)を遙かに抜き去る記録を樹立。でもねえ、このこと自体をどうこういうのじゃなくて、その記録を樹立した曲「Boom Boom Pow」と「I Gotta Feeling」のどうしようもなくレベルの低い楽曲水準に僕は危機感を感じるのです。この2曲、まるで楽曲展開というもののない、Aメロオンリーの構成で、やっぱりこういう曲が半年も1位を独占するというのは許せないのです(1、2週だったら許すけど)。過去の#1ヒットが全て名曲だというつもりは更々ないですが、10週以上1位を独占するというのはその年を代表する楽曲ということなのに、こんな楽曲レベルの低い曲に「2009年を代表する曲」なんて言ってほしくないのです、僕は。ああやっぱり2009年はろくな年じゃなかった、せっかくオバマが大統領になって自民党与党体制が崩壊した記念すべき年なのに、なんていう年末の感想をブログに書きたくないのです、僕は。ウィル・アイ・アムも昔は才能のあるヤツだと思ったんだけどな。全米トップ40で湯川れい子先生がボロクソにけなしまくったMの「Pop Muzik」(1979/11/3 1週1位)だってちゃんとAメロ、Bメロ、サビまであって、しかもちゃんと1週で次に1位を譲っていたぞ!救いは年間最多週1位独占記録(不連続含む)はアッシャーの28週が依然維持していること。

3. ジェイソン・ムラーツの「I'm Yours」、Hot100最多週登場記録更新!(2009/10/10)

これも知らないうちに大記録を達成して、えっそうだったの、あっそういえばそうだね、なんて仲間内でびっくりしていたのがうれしい驚きだった。こんな地味ーな曲がリアン・ライムスの「How Do I Live」(1997/6/21から69週チャートイン、最高位2位)以来の長期チャートイン記録をそれも76週というぶっちぎりで達成するとは。この曲チャートインしたのが2008/9/20なので実に1年以上チャートイン、トップ40内だけでも1年以上(59週)チャートインするというお化けロングランヒットになりました。さて今年の年間チャートで何位に入っているかの予想が大いに楽しみ(ちなみに今は当てずっぽで4位!とか思ってますが)ですが、どうなりますか。そうそう、あとこの曲に続く大ヒットを是非飛ばして欲しいというのも願いでして。この前のリアン・ライムスも、その前の記録保持者のジュエル(1996-97年に「Foolish Games / You Were Meant For Me」で65週チャートイン)もその後が続いていないからなあ...

4. マイケル・ジャクソン突然の他界...R.I.P.(2009/6/25)

思えば清志郎の逝去を悼んだブログをアップしたのが5月でその直後にマイケルが突然逝ってしまったわけで。まったくもって5月の時点で、もし未来からドラエモンがやってきて「来月マイケルが亡くなるんだよ」なんて言われたとしても「嘘ばっかり!冗談きついよ」という反応以外はあり得ない、それくらいの唐突感と喪失感につきるマイケルの逝去は何をおいても今年の最大の、そして予想外の出来事だった。特にやるせなさを感じさせてしまうのは、直接の死因が病気でも事故でもなく、処方薬の過度投与、つまり避けようと思えば簡単に避けられた、いわば人災だった、ということだ。

この間のMTVビデオミュージック・アウォード(そう、カニエ・ウェストテイラー・スウィフトの最優秀女性ビデオ受賞の最中に乱入して大顰蹙を買ったあのアウォードだ)を皆さんは見ただろうか。オープニングで6分半にも及ぶ、おそらくロック史上最も雄弁で、思索にあふれ、愛情と尊敬にあふれたマイケルへのユーロジー(弔辞)の中で、マドンナは抑えめながらも自らのエモーションとマイケルのエモーションとの共通点と相違点を見事に物語り、マイケルが求められて得られなかったものを持つ我々みんなが彼が全うできなかったものを目指し、彼の表現・パフォーマンス・創作のきらめきを十二分に感じて、後々の人々にまで残し伝えていかなくてはならない、そんなことを聴く我々に感じさせてくれた。とても感動的なスピーチだった。特にその結びの言葉が。Yes, Michael Jackson was a human being, but dammit, he was the King! Long Live the King!(そう、マイケル・ジャクソンはただの人間として一生を終えなくてはいけなかったけど、バカヤロウ!マイケルはキングだったんだ!王よ永遠に!)」

5. 弟の他界...R.I.P.(2009/8/10)


そうそしてこれこそが最もまさか!な出来事でした。あまりにも私的すぎるので多くはここには書きませんが、ちょうどマイケルが亡くなった頃彼はまだ普通に会話ができる状態だったのですが、あいつにはマイケルが亡くなったことは今は伝えるのはよそう、と思ったことを覚えています。とても感じやすいあいつのこと、まさか亡くなるとは思えないマイケルが逝ってしまったことを知ることによって、ネガティブな心理状態に入ってしまうような気がしたから。今でもあいつともう一人の弟と3人、一度だけ一緒に赤坂のカラオケ館に行き、あいつとガンズの「Sweet Child Of Mine」を歌ったのを時々思い出します。

幸い今週は3日が祝日なので、また時間もありそうだし、今週のチャートの紹介、久しぶりにいってみようと思います。何といっても注目は久しぶりに新鮮な1位となったアウル・シティことアダム・ヤングの「Fireflies」。さてではこれからマイケルの「This Is It」、観に行ってきます!
posted by Boonzzy at 17:54| ニューヨーク 曇り| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする